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余命宣告 前編 2006年10月26日(木)

今回は前回のナースステーションの中での説明ではなく、カンファレンスルームと表示されてる部屋の中で説明を受けました。医師3名、私、弟、妹、そして後から看護師1人が加わりました。

医師はとても穏やかに話し始めました。そして、私もその口調から、これはもう残り少ない余命宣告の話だと直感して、和やかにその説明に応対しました。よくTVドラマなどで、患者の家族が不治の病の宣告に、感情を荒げて、医師にその矛先を向ける場面がありますが、それとは全く違います。言われたことをそのまま全て受け入れる感じで、この余命宣告を聞いていました。なぜなら母が一番望んでいたのは、不治の病の場合には延命措置はしないでください、ということだったからです。

以下はその時の録音記録を書き起こしたものです。

担当医 「 ・・・ご本人がいるとね・・・どうしても具体的にね・・・その厳しいお話とか・・・も、なかなか出来ないのでね・・・まぁ・・こないだは病気に関する告知・・病名の告知・・をさせてもらってたんですけど・・・実際には病気がどれほど進行していてね・・・まぁ状態がどれほどよくないかっていうことを・・・まぁ、ご本人が希望すれば、ご本人には言うんだけども・・・ご本人はね・・これからね治療に向けて「よし、やるぞ!」って思っている段階でね・・・ここで、その・・・気持ちが折れてしまうかもしれないのでね・・・ご本人には、厳しいことは今は言うべきではないと考えているので・・・まずお家の方に・・・あの・・・真実をね・・・お話ししなければならないと考えて・・・今日お越しを頂いたわけです・・・はい・・」

私  「 はい 」

同席した医師 「 ・・・で、まぁ・・あの・・先日お話したとおり、まぁ肝臓に・・まぁ・・こう・・転移して・・たくさん腫瘍があって・・・肺にもあって・・・」

私 「 肺にもあったんですか?」

同席した医師 「うん。あります。それは(前に)お話してあります・・・で、骨にもあって・・あとリンパ節も腫れてる・・・でぇ・・・我々としてもね・・・肝臓の・・肝臓癌の一種の・・・えぇ・・胆管のね・・胆管細胞癌というね・・ものだろうと考えているんですけども・・」

私 「 はい 」

同席した医師 「 それで、有明の方に行っていただいて・・・えぇ・・そちらの先生のセカンドオピニオンってことでって、行っていただいて・・・そちらの先生も・・・(胆管細胞癌で)間違いないだろうと・・・」

私 「 (癌研有明病院の先生も)そうおっしゃってましたね・・・」

同席した医師 「 で、治療をジェムザールっていうね・・抗ガン剤の治療を週一回、点滴で始めて・・・もう・・・それが今の現状なんですけど・・」

私 「 はい 」

同席した医師 「ただ・・その・・・いろんな所に転移しているような状況で・・・まして、もともとの癌はかなり大きい癌・・・ですし・・・」

私 「 はい 」

同席した医師 「 ・・・ということを考えるとですね・・・治療したとしても・・・今してますけども・・・えぇ・・・まぁ数ヶ月・・・あの・・・」

私 「 死んじゃうってことですね・・・」

同席した医師 「 ・・お亡くなりになる可能性が高いということですね。」

私 「 はい はい」

同席した医師 「 で、ちょっと・・こないだはこういった話をね・・・まぁ、病名をご本人にお話しして、急に・・・そういう・・あと数ヶ月ってことは・・・まぁ言えませんので・・・ましてね、先ほど(担当医から)お話があったように治療に向かってね・・・頑張ろうとしていらっしゃる時なので・・・まぁ、そういったことで・・まずご家族にそういった状況なんだといことを・・・・」

私 「 はいはい。わかりました」

同席した医師 「 ご理解頂こうと・・・と、いうことなんです」

私 「 ・・・・・まぁ・・あの・・・こういうこと言っちゃなんですけど・・・あの・・・母親が死ぬことに対して特別の不安はないですよ。・・なんか変な言い方になりますけど・・。あの・・・結局・・・っていうか・・あの・・・もう母親はそういう・・なんか・・身体が悪いっていう時点で、もう母親が・・もうある程度歳ですし・・・またその・・3年のうちに母親の兄妹が相次いで亡くなっていますのでね・・・そういうのもありますから・・・何て言うんですかね・・・あえて、覚悟っていうんですかね・・・それは当然、本人も出来てますし・・もう一番最初の時点で・・もう、あぁこれは癌だなぁ・・と自分で何か言ってますから・・もしもそうなったら・・・いろいろ、これやって・・あれやってって・・段取りを自分でふんでますからね・・えぇ・・。そう言う意味では・・・あの・・本人もなんかそう言う意味では慌ててるも何もないし、我々も別に・・これといったことはないですよ。」

同席した医師 「 うん うん 」

私 「 あの・・・おそらくそうじゃないかな~・・って気がしてましたから・・。あの・・例えば・・で、癌って聞いた時点で・・あの・・・・こういうこと言っちゃなんですけど・・癌って比較的・・あの・・死ぬまで・・時間が・・・穏やかな時間が多少確保できるじゃないですか。他の・・心臓とかみたいな・・・。父親は心臓で直ぐ一瞬で死んでしまったのでね・・あれで私も・・・何人も友人を癌で亡くしてますけども、まだいくらか穏やかな時間が過ごせる・・時間があるのでね・・・まだ、そういう点ではよかったかなと思ってるぐらいなんですよ。だから・・こういう・・変な話ですけど・・「えっ・・ガンなの?!!」みたいな、慌てることはもうないですから・・」

同席した医師 「 ええ・・」

担当医 「・・ただね・・その・・まぁ・・癌の進行度のね・・話なんですけど・・・」

私 「 はい 」

担当医 「 あの・・穏やかな・・もちろんね、その・・急性心筋梗塞や脳出血という病気と比べられてね・・・癌であればね・・我々もそれは同じ認識はもっています。癌だとね・・家族が悲観的になるけども、ある意味ね・・急に亡くなるっていう病気と比べると、っていう言い方もすることもあるけども・・・。」

私 「 はい 」

担当医 「 実際のところ、ご飯が食べれて、痛みもなく、あの・・外来で診れるっていう時期がどれだけ続くかは、正直、我々もわからない。」

私 「 そうですね・・はい 」

担当医 「 で、既に・・・あの・・ここの、みぞおちの・・あの・・もう5cm以上のね、大きな塊が・・そこが原発。肝臓の中の腫瘤ね・・腫瘍そのものなんですけど・・それがもう・・ね・・お腹に張り出して、触ると固い・・ね・・張り出して触れるんですけども・・そこが凄く痛みをおびててね・・あの・・・モルヒネの製剤を使ってるんです。・・・モルヒネの製剤を・・あの・・開始して・・でぇ・それから、あと・・右の肩胛骨のところがね・・「痛い!痛い!」ってね、おっしゃってて・・・実はそれは骨転移の・・・転移の痛みであろうと・・。で、それはまぁ・・お薬をね・・麻薬じゃないお薬をね・・使うことで、あの・・・コントロールは可能なんだけども・・その・・今後は・・だから・・痛みとの闘いというか・・まぁ、我慢しないでください、とできるだけね・・痛みをゼロに近づけるように努力をするとこちらでは言ってるんだけれど・・・あの・・・・・・基本的にそれが・・あの・・抗ガン剤の効果がね・・・仮にね・・効いてきたとしても・・それは、やっぱりその・・1ヶ月とかね、2ヶ月とか・・要はそのね・・何回か繰り返しやって、はじめてね、効いてくるかっていうものなんです。その間に癌の・・癌の大きさ自体が大きくなったり、転移の数が増えてくれば、どんどんどんどん症状のほうが先行していきますので・・。」

私 「 はい 」

担当医 「 で、現に食欲もかなり落ちてきていて・・あの・・・そのうち・・その痛み止めすら飲めなくなってしまう状況が・・あの・・・充分に考えられる・・。そういう場合は飲み薬で結局ね・・痛み止めで、コントロール出来ない場合は・・こういう小さな・・あの・・パッチといういうね・・貼るタイプの痛み止めとかを使ったりするんだけども・・あの・・・口から結局食事が充分にが摂れないと・・まぁ・・それは入院になってしまう・・。で・・あの・・・ですので・・その・・本人にはなんとなく、まぁね・・言って、僕の口からも言っていて・・外来で出来る抗ガン剤の点滴をね・・選んだのだから・・その・・・1回目の治療が終わったところでね・・・あとは、まぁ外来でやりましょう、っていうふうに言ったんです。それは・・まぁ・・その・・僕の言っている言葉の裏は、結局ご本人には言ってないけども再入院になってしまう時期が、早かれ遅かれね・・くる可能性がある・・。まぁ、それは口から食事が摂れない、痛み止めも飲めないっていう状況もあるし、あと、痛みのコントロールが全然効かなくなる・・っていうね・・可能性もあり得る・・わけね。」

私 「 はい 」

担当医 「 で・・・基本的に・・言うとね・・痛み止め・・ね。モルヒネって・・これくらいの量を使いましょうって基準はないので、つまり効かなければ増やすべきなので、最大限いつまでも増やしていけるんですけども・・それと必ず引き替えに・・便秘とか・・ね・・あとは眠りがちになるとかね・・そういう・・その・・副作用が必ずついて回る。現にもともと便秘もお持ちで食事も摂れてないってところに、更に、モルヒネを使ったってことで・・あの・・ダブルパンチで全然便が出てないですね。今だから便秘のお薬も使って様子みたりしてるんだけども・・・」

私 「 はい 」

担当医 「 あの・・・・今の状態がいつまで・・私も・・ね・・保てるか・・つまり痛みも・・今日はさっき、ちょっとお会いしたらね・・「今日は痛みが・・骨の痛みが消えました」って・・凄い顔色も良くね・・お話をして頂いたんだけども・・・逆に言うと、この時期をね・・あの・・・こういう時期を・・まぁ今抗ガン剤を始めたばっかだからね・・最低これから2週間は副作用が出るから居て頂かないといけない・・それは、こちらからのお願いだけれども・・それが済んだらね・・もう・・・この時期がもうほんと貴重だと思うんです。」

私 「 そうですね 」

担当医 「 うん。あれほど頭もね・・しっかりされてて、痛みさえとれたら、もうなんなく生活出来ると思うんで・・そういう時間をね・・・要は入院での1ヶ月とね・・家での1ヶ月では全然密度も、なんにも違うんで・・僕は積極的にね・・入院してたとしても・・もう外出・外泊をね・・・どんどんしてもらおうと思うし・・・あの・・・お家の方には・・でも・・この今の状況以降・・うん・・あの・・・少し経ったらどんどん悪くなっていく恐れが高いということがね・・・予め言っておかなければいけない。で、治療の主眼は・・治療のその目標はガンをコントロールすることに勿論ありますけども・・基本的に、その・・我々が扱ってる肝臓の癌とか・・ね・・あの・・いろいろな癌がありますね・・胃ガンとかね・・大腸癌とか・・その中でも、特に膵臓の癌とか・・・今回ね・・なられた・・その・・胆道癌っていうのは手術オンリーなんですよ・・・言葉が悪いんですけども・・」

私 「 なるほど 」

担当医 「 手術が出来ない状態で見つかることが極めて多いんですけど・・手術が出来ない場合に抗ガン剤が・・ね・・効いて小さくなって・・手術の状態までもっていけるのが極めて稀で・・あの・・期待できるのが・・せいぜい・・現状維持とか・・進行をゆっくりにすること・・ぐらいなんです」

私 「 はい 」

担当医 「 ・・・で、そこまでのことは本人にはとても・・ね・・・・あの・・・言えない・・・ですしね・・・まぁ・・あの・・本人が凄くね・・強く知りたいっていう方の場合はね・・あの・・データをお示ししてね・・あの・・癌のときにあがる血液の検査がね・・横這いだとか、増えてますとかね・・言って説明することがあるけども・・・基本的ににその・・抗ガン剤っていうとね・・・その・・すごくその・・何て言うんでしょうね・・・やっぱり・・・もう・・魔法のようにね・・・なかにはね・・・患者さんとか・・患者さんのご家族のなかにはね・・・魔法のようにすごく特効薬でね・・もう・・形勢逆転できてね・・・思われる方がいらっしゃるの・・・・・それは・・まぁ癌によってはそうです・・ね・・なかには凄く効く癌もあるけども・・・我々が特に・・あの・・手術が出来ない場合に・・抗ガン剤を選ぶんだけども・・・特に膵臓の癌とか胆道癌とかは抗ガン剤が効くっていうふうに考えられてないのね・・・・・で、こないだ・・そのお話ししたジェムザールっていうお薬は・・その胆道癌、今までどのお薬を使うか・・・どのお薬も・・その・・どれが効くかってわかってなかった・・・それがまぁ・・あの・・今回その・・二十何年ぶりにね・・・その・・胆道癌に効くといわれてる・・その・・お薬が認可されました・・ということを言ったんだけどもね・・・それは海千山千のねの・・あまり効かないって中でそれがまぁ唯一・・他のよりは効きます・・というその程度の言い方しかできないんです。」

私 「 はい 」

担当医 「 ・・で、あの・・今後・・だからね・・(同席の医師)彼から・・数ヶ月っていう話があったけども・・・早い経過をたどれば3ヶ月・・・ということも充分あり得ると思います。で、まぁ・・抗ガン剤とかが効いたりすれば・・・まぁ・・その・・半年ぐらいね・・・あの・・・いまの元気さの度合いを保ったままの半年ってことはちょっと考えにくいと思います。」

私 「・・・でしょうね・・」

担当医 「 うん。まぁやっぱ、こちらとしては、心配なのは食事が摂れなくなって、痛みのために身体も動かせなくなって・・結局もう・・ベッド上にね・・もう寝たままになってしまう・・・時期が・・あの・・・来てしまうんじゃないか・・。基本的にその・・抗ガン剤の治療っていうのは、歩いて外来に通えるくらい元気な方に行うべきなんです。あの・・四六時中ね・・う~う~唸ってるとか・・もう身体起こしただけでもう・・ね・・顔を歪めてしまうとか・・そういう方には・・もう・・毒性のね・・その強い・・悪い作用しか、かえって、でないことが多いんです。癌をね・・やっつけるっていう効果よりもね・・。なので、あの・・そういう状態になってしまったら抗ガン剤の治療自体を・・止めないといけなくなってしまう・・・・・・ということを予め言っておかないといけないと思うんです。」

私 「 はい。わかりました 」

担当医 「 うん。それまでの間に・・だからね・・・その・・抗ガン剤の治療をね・・2週やって1週休むっていう・・っていうのを何回積み重ねていけるかね・・わからないけど・・あの・・今は痛み無くね・・外来に来れる間は・・・まぁ・・やれる間は続けさせていただく・・・という方針です。」

私 「 宜しくお願いします 」

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コメント

兄が9月の定期健診(不整脈、高血圧、腎臓、脳梗塞、等…)
色々な病気を持っているのが分かりました。
で、心臓の動きがおかしいということで、別の病院に救急搬送され即入院、次の日には心臓の手術と言う流れで、成功率も90%以上と言う事なので、両親に付き添いをさせて私はその日仕事に行きました。両親の帰りが余りに遅いので、翌日、実家に行き話を聞くと心臓の手術するために管を通したら肝臓と肺に影があるからと言われ、一応、心臓の手術は無事に終わったのですが、次に肝臓と肺のレントゲンやMR等…受けて胆管がんステージIV bと言われました。肺にも20個余り転移していて手術は不可と余命は持って1~2ヶ月と言われました。本人は至って元気なのですが、急変する事ってあるのですか?あればどういう症状が出て来ますか?現在は抗がん剤をワンクール終わったばかりですが至って元気で仕事もやりたがってます。どうした方が良いのか周りにそういう方がいないのでどういうふうに接したら良いのかも分からない状態です。
皆様の良きアドバイス教えて貰えたら有りがたいです。
宜しくお願いします!! 長文で最後まで見て下さった方、ありがとうございます。

投稿: 妹 | 2015年10月26日 (月) 22時14分

ありがとう 様

忙しさにかまけて、このBlogの更新を放置していたら、コメントをいただいておりました。
参考になったらうれしいです。

最近は、末期がん患者の終末期医療について話題になっておりますが、現状は厳しく、母親が死んだ時と変わっていないようです。
むしろ、積極的に「自宅での臨終」の方針のようです。
病院よりも自宅で臨終を迎えるのは私は好ましい事と思っています。しかし、死ぬまでのケアに対して未だに充実した医療体制がないので、家族としては大問題です。

死亡後の葬儀の段取り・執行についてBlogを更新しなければいけないと思いつつ、1年以上もさぼってしまいました。

心配や不安な毎日をお過ごしでしょうが、何かわからないことがあったら、ここに書き込んでください。
出来るだけ速やかにお返事したいと思います。

投稿: 長男 | 2008年6月 2日 (月) 16時10分

最近、私の母も突然入院となりました
参考にさせていただきます
ありがとうございます
メールアドレスを載せた方が宜しかったでしょうか

投稿: ありがとう | 2008年4月17日 (木) 00時44分

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